別荘や高原のペンションのリビングと聞いて、多くの人が真っ先に連想し期待するもの...それは暖炉ではないでしょうか。いわゆる田舎暮らしの場合も同様で、家を建てるとなれば、ログハウスや北欧風の輸入住宅などに、何を措いても暖炉を備えよう(または古民家に囲炉裏?)と考える人がやはり多いようです。
しかし、別荘やペンションのような非日常的な空間と異なり、田舎暮らしの場合、そこでまさに日常生活を送る訳ですから、ある程度の利便性と快適性は要求されます。いまどきどこの田舎へ行っても、暖房や煮炊きに薪を使っている家庭は滅多にありません。
アウトドアライフをそのまま日常にしたい、とか、自給自足的生活をしたい、といった気合の入った田舎暮らしの場合はともかく、我が家のように、単に土地が安くて眺めの良いところに住みたい、といった程度のお気楽な田舎暮らしにとって、暖炉が果たして単なるインテリアではなく暖房器具として実用に耐えるものなのか、疑問に思う人も少なくないと思います。
実際、都会から遊びに来る友人の中には、我が家の暖炉(薪ストーブ)を見て「本当にこれで火を焚いているのか?」などと聞く者もいます。「何を失敬な」と言いたいところですが、それも無理はないかもしれません。
何を隠そう私自身、はじめは泊まったペンションに暖炉が置いてあっても、「どうせ火を焚くのはお客さんが居る時だけだろう」くらいに思っていたのでした。
では、そんな薪ストーブライフの実態とは一体どのようなものなのか、我が家の場合に即して描いてみたいと思います。
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