生木に近い薪は、焚いても水分の蒸発に熱が奪われて温度が上がりにくく、煙突に煤なども付きやすくなるため、薪は割ってから最低半年、出来れば1〜2年乾燥させなければなりません。
2年分位ストック出来る薪小屋さえあれば、古いものから順次使っていけば自然と十分乾燥したものを使うことが出来、乾燥と言っても特に意識して手間をかける必要はありません。
しかし、それだけの薪を貯め込んでいる家は案外少なかったりしますので、最初から立派な薪小屋を準備するのではなく、我が家のように、薪が増えるにつれて徐々に置き場を整備していくというケースが多いようです。
となると、いきおい置き場が追い付かなくて薪を仮積みしておくような場合も出て来るわけですが、こうなると薪を保管するというだけでも意外とやっかいです。
地面に接しないように台を作って、支え無しでも崩れないように薪を井桁に積んだりしますが、あまり高くは積めないのでけっこう場所を取ります。雨よけも欲しいところですが、安くて風雪に耐える丈夫な素材で見栄えも良いものなどと考えるとなかなか適当なものがありません。軒下に積むという方法もありますが、家の周りに燃え易いものを積むというのはちょっと抵抗を感じます。
薪小屋が空いている時なら、割った薪を何も考えずどかどか積んでいくだけですが、置き場が一杯の時に燃し木をもらったりすると、そのたびどこに積もうかと悩みの種で、それがネックになって薪割りがなかなか進まなかったりします。それなりに費用などもかかりますが、結局は十分な薪置き場を整備するのが効率的に薪をストックする早道かもしれません。
ところで、薪は乾燥させればさせるほど良いかと言うとそうでもなく、2年以上経つと今度は乾き過ぎて火持ちが悪くなり、急激に燃えるためストーブにもあまり良くありません。従って、ストーブのためを考えると当分薪集めをしなくて済むように頑張って5年分くらい薪を貯めようなんて訳にはいかず、やはり毎年コンスタントに薪作りをしなければなりません。
さて、薪が乾燥したらこれでようやくストーブを焚くことが出来ます。特に最初の年は、1年も前から薪だけ準備して乾燥しておけるケースは少ないので大変です。我が家は夏の終り頃にやっと手に入れた薪を、積上げずに干物でも作るようにデッキの上に広げて少しでも乾くようにしたりして、何とか初めての薪ストーブの季節を迎えました。