都会にいたころは、ビルや住宅に囲まれていて、日の入りを見ることなどほとんどありませんでしたが、今は天気さえ良ければ、毎日南アルプスに日が沈むのを見ることが出来ます。
こうしていつも同じ場所から日の沈むのを見ていると、季節によって日の沈む位置が大きく変るのに驚かされます。もちろん知識としては、冬至の頃に一番南寄りに沈むということは知っていましたが、南アルプスという物差しで夏と冬を比べてみると、改めて季節の違いを認識させられます。
夏には家から見て南アルプスの遥か右端の方に日が沈んでいたのが、今では正面近くのちょうど甲斐駒の辺りに日が入ります。この日は、日が入った直後、甲斐駒全体に後光が差して見えました。
八ヶ岳南麓の私の住む辺りは、冬の気候は関東平野などと同じで晴れの日が多く、雪はあまり降りません。しかし、この日何だかずいぶん黒い雲が降りて来たと思ったら、たちまちみぞれ交じりの吹雪になりました。どうやら山から雪雲がちぎれて来たようで、しばらくするとすっかり天気は回復しましたが、家が吹雪に包まれたときは、ちょっと北海道の原野にいるような気分でした。