薪ストーブライフというのは、即ち薪作り人生です。 いったん薪ストーブオーナーとなれば、薪ストーブを使い続けている限り、薪の確保という命題が一生ついてまわります。
いかに薪ストーブが暖かいとはいえ、それは、きちんと乾燥させた良い薪を惜しみなく焚いてこその話です。ストックに不安があるからと、部屋が冷え切ってからようやく火を入れ、火力を絞って細々と焚いているのでは、薪ストーブの性能は発揮できません。
身も心も暖かい冬を過ごせるかどうかは、冬までに十分な薪を用意できるかにかかっているのです。
では、実際のところ薪はひと冬にどれくらい必要かというと、これは相当な量になります。我が家の場合、ストーブを焚くのは正味5ヶ月程で、軽トラ6〜7杯分くらいの薪を消費しているようです。我が家の薪小屋は、幅4m弱に背丈ほど薪が積める大きさがありますが、これに前後2列めいっぱい薪を積んでも、ひと冬分には少し足りないくらいです。
しかも薪というのは、出来れば割ってから1〜2年乾燥させた方が良いので、そのためには今年の分だけではなく来年の分も含めて、常に1年分以上の薪のストックを維持管理しなければならない、ということになります。
薪作りのベストシーズンは冬です。 春から夏にかけては、木がたっぷり水を吸い上げているので、重いし乾燥させるにも時間がかかるので、木を倒すには、葉を落とした秋から冬にかけての方が好都合です。この時期は、ちょうど農閑期で大きくなりすぎた庭木を倒したり、果樹を剪定したりする時期にあたるので、燃し木の出物も多くなります。また何より、燃し木を運んだり薪割りしたりするのは重労働ですから、夏場ではたちまちバテてあまり仕事にならないので、寒いくらいの時期がちょうど良いのです。
そういう訳で、せっかく薪ストーブがあっても、冬の間家の中でぬくぬくしていられるわけではありません。冬こそ来年以降のための薪作りに精を出さなければならないのです。