SOHOCO顛末記 〜(10)長期戦?
〜長期戦?
物件を見学し始めた春頃、早ければ秋頃にも移住できるのではと私達は考えていました。しかし、秋を迎えてもまだ土地も決まっていませんでした。
田舎育ちのカミさんは、相変わらず分譲地が苦手で田畑や林を隔てて家が建っているような場所を望んでいましたし、私自身は、眺望の良いところにこだわっていたため、なかなか予算内で希望に適う物件は見つかりませんでした。
また、ある程度限定されたエリアですし、それほど次々と物件が出てくる訳ではありませんので、この頃は少し長期戦も覚悟し始めていました。特に、山の眺望を確認するには、雲が多く山頂の見えないことも多い夏場よりも冬場の方が有利ですし、物件を決めるには一番厳しい季節の状況を確認して決めた方が良いということもありますので、もう半年くらいじっくり探して、春頃までに決められれば良いのではないかとも思いました。
〜電線越しの風景
私は、何故か現地に通うごとに特に南アルプスの眺望への執着が強くなっていたのですが、道路や田園地帯のように開けた場所からは良く見える南アルプスも、分譲地や集落内の物件に立つと、障害なく望める土地はなかなか無いものでした。地形の問題、林や隣家が視界を遮っている場合などに加え、住宅のあるところには必ず電線が張り巡らされているため、たとえば物件から甲斐駒がちょうど良い角度で見えても、その前に電柱や電線が立ちはだかっているというようなこともままありました。
〜農地転用と「農振」
農地に住宅を建てるには、農地転用という手続きが必要なのですが、「農振」と言って振興用の助成を受けて整備されている農地は、この転用許可が下りることがまず無いそうで、宅地用に売りに出ることはありません。八ヶ岳南麓でも、地形的に開けた場所は整備された田園地帯が広がっており、そのほとんどは、この「農振」がかかっているようです。このことも、眺望の良い物件が出にくい要因になっていました。
作成 甲斐駒電脳工房