借家周辺の風景 |
隣家のご夫婦も気さくな方でしたし、物件を探すうちに知り合った先輩移住者の方とも交流があり、引っ越してすぐに野の幸や山の幸の楽しみ方を教わったりして、思いのほか順調にSOHOCO生活は滑り出しました。
私自身、仕事は移住前と同じですから、一日の大半を家の中でパソコンに向かって過ごすという生活は変わりありませんでしたし、また、移住するまでに何回も訪れるうちに、土地勘なども少しずつ身についていましたから、特に新しい生活に違和感はありませんでした。
ただ、物件を探している頃によく通った道を車で走っていると、「ああ、これから埼玉へ帰らなくてもいいんだ」と、ちょっと不思議な気持ちがしました。
第一に、過疎地帯ではありませんから空家自体が少ないですし、あってもなかなか見ず知らずの人間には貸したがらないようです。特に都会の人間に対しては、貸した相手が例えば草刈りを怠るなどして近所に迷惑を掛けては困る、という懸念も強いようです。 また一方、流動的な人口は少ないですから、民間の賃貸住宅もほとんどありません。公営の団地などは若干ありますが、例えば県内に住所が無いと原則的に借りられないなど、いきなり他所から移住して来る場合は、簡単には入居できないようです。
私達の場合、たまたま土地を購入した不動産業者さんが、いわば仮住い用に確保しているような物件を紹介してもらうことが出来たのですが、逆に仮住いではなく、まずは借家住いで田舎暮らしを始めようということであったら、気に入った物件を選ぶどころか、賃貸物件を探すだけでもかなり苦労したと思われます。
仮住い先の家賃も、埼玉に居たときの3分の2ほどで、庭付き一戸建てと考えれば確かに安いものでしたが、築年数などを考えると、決してそれほど割安とは思えませんでしたし、もちろんただ同然などという甘いものではありませんでした。